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墓場の老いぼれ幽霊の正体見たり

「墓場の老いぼれ幽霊」は当ブログで何度も使用している、お気に入りの表現だけれど、、、


てっきりディケンズの何かが元ネタだとばかり思い込んでいたのを一応、前回のミシンのハナシのタイトルを考える際にちょっと調べてみると、スタインベックの「怒りと葡萄」が原典だとわかった。

 

その昔、テレビもラジオもカーテンもなんにも無い生活をしていた。今流行のミニマリズムなんかではなく単に金がなかったのだ。若かったので取り立ててひもじさを感じるようなことはなかったけれど、移動中の暇な時や孤独な夜を埋める為には、古本屋の店先に二束三文で売られていた色あせた翻訳物の古典小説が最低限必要だった。ディケンズもスタインベックもそんな埋め草の一部だったのだが、脈絡のない乱読のせいで記憶が混ざってしまったのだろう。

 

まあ、それはそれでいい。とにかく「老いぼれ幽霊」って表現が面白かったのだ。

幽霊なんだからどれだけ時間が経っても加齢しないはずなので、老人の幽霊ってことではないのか。でも、それだと「墓場の老人の幽霊」という「の」の連続する稚拙な文章になってしまうので「墓場の老いぼれ幽霊」にしたのだろうか。それにしても「老いぼれ」って、、、
と、数十年後の今、原文をあたってみると、なんと「old graveyard ghost」だったのだ。

って、それじゃあ「古い墓場の幽霊」じゃんかーーー!!!

 

今はどうだか知らないけれど、ひと昔前の翻訳小説は凄まじい誤訳が多かったのだ。何度読んでも理解できない文章なんてのも、ざらだった。

でも有名大学教授の肩書きをもつ御仁がそろいも揃って安易に下請から上がってきた下訳をもとに日本語にもなっていないアホな誤訳を書き連ねて有名大学出身でもぼんくらばっかりな出版社の塵糞共もまともに校正しないで出版してしまうなんてこの日本で起こり得るなど想像できない純真無垢で貧困な私は原典が難解な文章なんだと馬鹿正直に受け取っていたのだった。

 

なので「墓場の老いぼれ幽霊」みたいなおもろい例外もあるけれど、私の日本語表現がいかれている原因の一端はいかれた翻訳小説体験にあるとここに記して、ひとまずさよならと云って少しのあいだ死んでおこう。。。オバケ

 

 

 

 

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